今年は巳年です。そこで十二支の話をどうぞ

生活

昔々、まだ「年」を数える方法が決まっていなかった頃のお話です。ある日、神様が動物たちを呼び集めてこう言いました。
「これから、毎年に動物たちの名前をつけていくことにします。そして、その名前をつける順番は、明日の朝、私のもとに来た順番で決めることにしましょう。全部で12匹を選びます。みんな準備をしておくように!」

この知らせに、動物たちは大はしゃぎ。「絶対に一番になるぞ!」とやる気を燃やしました。でも、のんびり屋の動物もいれば、しっかり計画を立てる動物もいました。それぞれの性格が、この競争にどう影響するかは誰も分かりません。

さて、小さなネズミは一生懸命考えました。「僕の足じゃ、トラやウマみたいに早い動物には絶対勝てない。でも、頭を使えば何とかなるかもしれない!」そこで、ネズミは優しいウシに声をかけました。
「ねぇウシさん。あなたは足が遅いけど、早く出発すればきっと一番になれるよ。僕も一緒に連れて行ってくれないかな?」
ウシは親切なので、「いいよ、一緒に行こう」とネズミを背中に乗せて歩き始めました。

翌朝、まだ夜が明けきらないうちに、動物たちはそれぞれ出発しました。ウシはネズミを背中に乗せ、コツコツと地道に進みます。一方、トラは勢いよく駆け出し、ウサギは軽快にジャンプを繰り返しながら前に進んでいきます。他の動物たちも一生懸命走りますが、中には途中でケンカを始めるものもいました。サルとトリは「お前が先に行くな!」と言い合いをして、その隙にヒツジがスルリと追い抜いていく場面もありました。

いよいよゴールが見えてきました。トラやウサギが最後の力を振り絞って走る中、一番最初に神様のもとに到着したのは……なんとネズミ!そう、ウシの背中に乗っていたネズミが、ゴール直前でぴょんと飛び降りて1位を取ったのです。ウシは驚きましたが、「ネズミの賢さにはかなわないな」と文句ひとつ言いませんでした。その後、トラが2位、ウサギが3位、そしてタツ、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、トリ、イヌが次々とゴールし、最後にやっと到着したのはイノシシでした。

こうして、十二支の順番が決まりました。ネズミ、ウシ、トラ、ウサギ、タツ、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、トリ、イヌ、そしてイノシシ。これらの動物たちがそれぞれの年の名前を持つことになったのです。

でも、この競争には少し悲しい話もあります。それは、ネコが参加できなかったこと。実は、ネズミが「競争の日は明後日だよ」とうそをついてしまったのです。ネコはそれを信じて参加せず、十二支に入れなくなってしまいました。それ以来、ネコは悔しさからネズミを追いかけるようになったのだとか。

こうして、動物たちの個性が光る十二支のお話が生まれました。ネズミの賢さやウシの誠実さ、トラの勇ましさ……それぞれの動物が全力を尽くして挑んだこの物語。自分の干支を思い浮かべながら、ちょっとワクワクしてきませんか?

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