「子どもがすぐ泣いてしまう」
「怒ると手が出てしまう」
「気持ちを言葉で伝えられずにパニックになってしまう」
こんな場面に出会ったことはありませんか?
子どもはまだ、自分の気持ちをうまく整理したり、落ち着かせたりするのが難しいものです。大人としては「どうしたの?」「落ち着いて!」と声をかけたくなりますが、感情が高ぶっているときにそう言われても、なかなか落ち着けません。
では、どうしたらいいのでしょうか?
子どもが自分の気持ちを整理し、少しずつコントロールできるようになるために、大人ができることを紹介します。
- まずは子どもの気持ちを受け止める
子どもが感情を爆発させたとき、つい「なんでそんなことするの?」と言いたくなることもあります。でも、まず大切なのは「気持ちを受け止めること」です。
たとえば、子どもが「おもちゃを取られた!」と怒っているとき、大人が「そんなことで怒らないの!」と言ってしまうと、子どもは「自分の気持ちをわかってもらえない」と感じてしまいます。
そこで、まずは「○○がいやだったんだね」「悲しかったんだね」と気持ちを言葉にしてあげることが大切です。
子どもは「気持ちをわかってもらえた」と思うと、少しずつ落ち着いてきます。
たとえば、こんな風に声をかけてみましょう。
「○○を取られちゃったのがくやしかったんだね」
「もっと遊びたかったんだね」
「がんばったのにできなくて、悲しくなっちゃったんだね」
「自分の気持ちを言葉にしてもらえた!」と感じると、子どもは安心します。そして、「ああ、自分はこういう気持ちだったんだ」と気づくきっかけにもなります。
- すぐにおさえこまず、気持ちを出す時間をつくる
子どもが泣いていたり、怒っていたりすると、大人は「早く泣きやませなきゃ」と思うかもしれません。でも、感情はすぐには消えません。
むしろ、無理に「泣かないの!」「怒らないの!」とおさえこむと、子どもは気持ちをしまいこんでしまいます。そして、あとで突然爆発してしまうこともあります。
大切なのは「気持ちを出す時間」をつくることです。
たとえば、こんな方法があります。
しばらく静かにそばにいて、子どもが落ち着くのを待つ
「気持ちが落ち着いてきたら、お話ししてくれる?」と声をかける
どうしても感情的になっているときは、抱っこをして安心させる
気持ちが整理されると、子どもは自分から「○○がイヤだった」と言い出すことがあります。無理に「どうしたの?」と聞くより、まずは安心できる時間をつくることが大切です。
- 代弁しつつ、自分で表現できるよう促す
子どもは、うまく言葉にできないときに泣いたり、怒ったりします。そこで、大人が「○○って思ったのかな?」と代弁してあげることで、気持ちを整理する手助けができます。
でも、ここで大事なのは「代弁しすぎないこと」です。
たとえば、こんな声かけが効果的です。
「○○って思ったのかな?」と聞いてみる
「こういうときは『やめて』って言ってみるといいかもね」と言葉を教える
「○○ちゃんはどう言いたかった?」と子どもに考えさせる
最初は代弁してあげてもいいですが、少しずつ「自分で言ってみる?」と促すことで、子ども自身が気持ちを表現する力が育っていきます。
- 落ち着くための方法を一緒に考える
怒りや悲しみが強いとき、子どもはどうしたらいいかわからなくなります。そんなとき、大人が「こういうときはこうすると落ち着くよ」と方法を教えてあげると、少しずつ感情をコントロールできるようになります。
たとえば、こんな方法があります。
深呼吸をする:「いち、にい、さんで息をはいてみよう」
手をギュッとにぎる:「グーっとにぎって、パッと開いてみよう」
静かな場所に行く:「ちょっとここで一緒に座ってみよう」
子どもと一緒に「どんな方法が落ち着くかな?」と考えておくと、実際にイライラしたときに使えるようになります。
- 落ち着いたあとに振り返る
子どもが落ち着いたあと、少し時間をおいて「さっきはどんな気持ちだった?」と聞いてみましょう。
このとき、「どうしてそんなことしたの?」ではなく、「どんな気持ちだった?」と聞くのがポイントです。
子ども自身が「○○が悲しかった」「○○がいやだった」と言葉にできると、「次はこうしよう」と考える力がついていきます。
また、うまく気持ちを伝えられたときには、「ちゃんと気持ちを伝えられたね!」とほめてあげることも大切です。
- 大人自身が感情のコントロールを見せる
子どもは大人の姿をよく見ています。だから、大人が感情的にならず、落ち着いて対応することが何より大切です。
たとえば、大人もイライラするときがありますよね。そんなときに、
「ちょっと深呼吸するね」
「今、ちょっとイライラしてるから、一回お水を飲むね」
と自分の感情を落ち着かせる姿を見せると、子どもは「こうすれば落ち着けるんだ」と学ぶことができます。
まとめ:少しずつ「自分でできる」を増やしていこう
子どもの感情コントロールを助けるには、まずは「気持ちを受け止めること」が大切です。その上で、「落ち着く時間をつくる」「気持ちを言葉にする」「落ち着く方法を一緒に考える」ことで、子どもは少しずつ感情を整理する力を身につけていきます。
大人もすぐに完ぺきにはできません。焦らず、一緒に少しずつ成長していきましょう!



コメント