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「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」と保育・子育て

保育

「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」という言葉は、中国の古い書物『孫子』に出てくる有名なことばです。本来は戦いの考え方ですが、これは保育や子育てにも通じるものがあります。子どもをよく知り、自分自身のことも分かっていれば、毎日の保育や子育ての中でよりよい関わりができます。こんな考え方もありじゃない? も良かったら参考にしてみてね。この記事では、この考え方を保育や子育てにあてはめて、分かりやすくお話ししていきます。


  1. 「彼を知る」:子どもをよく知る

子どもはひとりひとり違う個性や特徴を持っています。同じ年でも性格や成長のスピード、好きなことや興味を持つものはさまざまです。子どもをよく知ることは、よりよい保育や子育ての第一歩になります。

子どもの特徴をよく見る

気持ちの変化を知る:例えば、新しい場所にすぐなじめる子もいれば、慎重な子もいます。新しい遊びや活動をするときの様子をよく見て、その子に合った声かけをするとよいでしょう。

好きなことを知る:好きな遊びや興味のあることを知ると、子どもとのやりとりが楽になります。たとえば、車のおもちゃが好きな子には、道路のルールを遊びながら教えることができます。

成長のペースを知る:歩きはじめる時期やお話しできるようになるタイミングはそれぞれ違います。「ほかの子とくらべて遅い」とあせるのではなく、その子のペースを大切にしましょう。

子どもの気持ちを理解する

泣くのにも理由がある:小さい子どもは言葉で気持ちを伝えるのがむずかしいため、泣くことで気持ちを伝えます。「おなかがすいたのか」「ねむいのか」「さみしいのか」など、泣く理由を考えてみることが大切です。

イヤイヤ期の対応:2~3歳ごろは「自分でやりたい!」という気持ちが強くなり、イヤイヤが増えます。たとえば、「くつをはきたくない!」と言われたら、「このくつとあのくつ、どっちがいい?」とえらばせるとスムーズに進むことがあります。


  1. 「己を知る」:大人も自分のことを知る

子どもを理解するだけでなく、保護者や先生自身が自分の性格や考え方、得意・不得意を知ることも大切です。大人の気持ちが子どもとの関わりに影響することも多いのです。

自分の子育て・保育のやり方を知る

どんな思いを持っているか:たとえば、「しっかりしつけたい」「のびのび育てたい」など、子育てや保育に対する思いは人それぞれです。自分の考えを知った上で、その子に合った関わりを見つけることが大事です。

得意なことと苦手なことを知る:たとえば、「遊びは得意だけど、しつけは苦手」「話を聞くのは得意だけど、しかるのは苦手」といったように、自分の強みと弱みを知ることで、工夫しながら関われます。

気持ちのコントロールを意識する:子どもと接していると、思い通りにならずイライラしてしまうこともあります。たとえば、「つい怒ってしまった」と後悔することもあるでしょう。そのとき、「なぜイライラしたのか」を考えてみると、次の対応を工夫できます。


  1. 「彼を知り己を知る」ことでよい関係がうまれる

子どもと大人、どちらも理解できると、よりよい関係をつくることができます。

子どもの成長に合わせた接し方ができる

たとえば、「この子は慎重な性格だから、新しいことを始めるときはゆっくり時間をかけよう」と考えられるようになります。

「自分はせっかちな性格だから、子どものペースに合わせよう」と、自分のくせを理解して接し方を工夫することもできます。

余裕を持った対応ができる

子どもの行動を理解し、自分の気持ちも整理できると、イライラやストレスが減ります。

たとえば、子どもがなかなか言うことを聞かないとき、「この子は今、自分の考えを伝えようとしているのだ」と思えると、感情的に怒らず、落ち着いて対応できます。

子どもが安心して成長できる

子どもは、自分をわかってくれる大人がいることで安心します。

たとえば、子どもが失敗したときに「失敗しても大丈夫だよ」と伝えると、新しいことに挑戦する力が育ちます。

「自分のことを分かってくれている」と感じると、子どもは自信を持ってのびのびと育ちます。


まとめ

「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」ということばは、保育や子育てにも大切な考え方です。子どもの特性を知り、自分自身のことも理解することで、よりよい関わりができます。

子どもとの関わりに迷ったときは、まず「この子はどんな気持ちだろう?」「自分はどんな対応をしやすいだろう?」と考えてみましょう。おたがいを理解することが、より楽しく、心地よい保育・子育てにつながります。こんな考え方もありじゃない? も良かったら参考にしてみてね。

孫子の保育・子育てシリーズはこちら

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