ファミリー・サポート・センター(ファミサポ)は、地域で子育てを助け合う仕組みとして全国の自治体が運営している制度です。育児のちょっとしたお手伝いをお願いしたい人(依頼会員)と、手助けできる人(提供会員)をつなぐことで、地域の支え合いを実現しています。
本記事では、ファミサポを利用する際のポイントや注意点を分かりやすくまとめました。
- ファミサポとは?基本的な仕組み
1-1. ファミサポの目的
ファミサポは、保育園の送迎や短時間の預かりなど、日常の子育てのサポートを受けたり、提供したりできる制度です。育児中の親の負担を減らし、地域で子どもを見守る仕組みを作ることが目的とされています。
1-2. どんな人が利用できる?
ファミサポには、以下の3種類の会員があります。
依頼会員(お願いしたい人)
仕事や急な用事で子どもを預かってほしい
保育園や学校の送迎を頼みたい
リフレッシュの時間を確保するために短時間だけ見てもらいたい
提供会員(お手伝いできる人)
自宅や指定の場所で子どもを預かる
保育園や学校への送迎を手伝う
短時間の見守りをする
両方会員(どちらも可能な人)
自分も助けてもらいたいし、他の人の手助けもできる
提供会員になるには、自治体が実施する研修を受ける必要がありますが、特別な資格は必要ありません。
- ファミサポを利用するメリット
2-1. 低コストで子育て支援を受けられる
ファミサポの料金は、1時間あたり500円~1000円程度と比較的安価です(自治体によって異なります)。保育施設の一時預かりに比べて、費用負担が少なく済むことが大きなメリットです。
2-2. 近くに頼れる人がいなくても支援を受けられる
共働き家庭や、近くに家族がいない家庭にとって、ファミサポは心強い味方になります。急な残業や病院の受診時など、ちょっとしたサポートが必要なときに利用しやすいです。
2-3. 地域とのつながりが生まれる
ファミサポを通じて、子育て世帯同士や地域の方々との交流が増えることもメリットのひとつです。顔見知りが増えることで、防犯や防災の面でも安心感が高まります。
- ファミサポを利用する際の注意点
3-1. すぐに利用できるわけではない
ファミサポは、登録してすぐに利用できるわけではありません。
事前登録が必要:利用するためには自治体での登録が必須。
提供会員との顔合わせが必要:利用前に、サポートしてくれる方と事前に会って、ルールを確認する必要がある。
マッチングに時間がかかることも:すぐに適した提供会員が見つからないこともある。
3-2. サポート内容に制限がある
ファミサポでは、お願いできる内容に制限があります。例えば、
病児保育は基本的にNG:体調不良の子どもを預けることは難しい(※自治体によって異なる)。
長時間の預かりは向いていない:基本的に短時間のサポートが前提。
送迎時の車の利用は制限がある:提供会員が車を使う場合、保険の加入などが必要になることも。
3-3. 相性やトラブルに気をつける
提供会員とは事前に顔合わせをしますが、実際に利用してみて相性が合わないこともあります。
初めて預ける際は短時間から試す:いきなり長時間預けるのではなく、まずは短時間でお試し利用をする。
トラブル時の対応を確認する:万が一、子どもがケガをしたり、提供会員と意見が合わなかったりしたときの対処方法を確認しておく。
- ファミサポを上手に活用するコツ
4-1. 早めに登録しておく
「いざという時に使おう」と思っても、登録していないとすぐに利用できません。早めに登録し、提供会員との顔合わせを済ませておくと安心です。
4-2. 事前にしっかり打ち合わせをする
預かり場所や送迎のルールを確認する
食事やおやつの対応について話し合う
アレルギーや特別な配慮が必要なことは事前に伝える
4-3. 信頼関係を築く
提供会員とは、単なる「サービスの利用者」と「支援者」ではなく、信頼関係を築くことが大切です。
お礼の気持ちを伝える
定期的にコミュニケーションをとる
継続的に利用することで、お互いに慣れてスムーズに利用できるようになる
- まとめ
ファミサポは、子育てを地域で支え合う心強い制度ですが、「すぐに利用できるわけではない」「サポート内容に制限がある」「相性やトラブルに気をつける」など、事前に知っておくべきポイントがいくつかあります。
しかし、早めに登録し、しっかりと準備をしておけば、子育ての強い味方になってくれます。育児を一人で抱え込まず、地域の力を上手に活用しながら、安心して子育てができる環境を作っていきましょう。
ファミサポについて気になる方は、お住まいの自治体の窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。



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