男の子の生態

保育

なぜ男の子は戦隊ものや勧善懲悪の物語にひかれるのか?

戦隊ものや勧善懲悪のストーリーは、昔から多くの子どもたちに愛されてきました。特に男の子は、ヒーローに憧れ、ごっこ遊びに熱中することが多いですよね。保育の現場でも、戦いごっこをしている子どもたちをよく見かけるのではないでしょうか?

しかし、戦いごっこがエスカレートして、怪我をしたり、泣かせてしまったりすることもあります。すると、大人としては「どう対応するべきか?」と悩む場面もあるでしょう。

この記事では、「なぜ男の子は戦隊ものや勧善懲悪の物語にひかれるのか?」という理由を解説しながら、子どもたちが安全に楽しめるような関わり方について考えていきます。

男の子が戦隊ものや勧善懲悪にひかれる理由

  1. シンプルで分かりやすい物語構造

戦隊ものや勧善懲悪の物語には、「正義のヒーローが悪者を倒す」という明確な構図があります。このシンプルな対立は、幼児でも理解しやすく、物語の展開を直感的に楽しめます。

また、「悪いことをするとやっつけられる」「正しいことをすると褒められる」という分かりやすいルールは、子どもたちが社会のルールを学ぶきっかけにもなります。

  1. 「強くなりたい」「守りたい」という本能的な欲求

男の子は成長の過程で、「自分は強くなりたい」「誰かを守れる存在になりたい」という気持ちを持ちやすいです。これは本能的な部分もあり、ヒーローへの憧れにつながっています。

戦隊ヒーローたちは、個々に違う能力を持ちつつ、仲間と協力して悪に立ち向かいます。その姿に自分を重ね、「自分もこうなりたい!」という気持ちが湧いてくるのです。

  1. 戦いごっこへの興味は自然なもの

多くの男の子は、剣や武器に興味を持ち、戦いごっこを楽しみます。これは、動物のオスが狩猟や縄張り争いをする本能と関係があるとも言われています。

もちろん、これは「攻撃的になりたい」という気持ちとは違います。むしろ、「どこまでなら許されるのか?」「どうすれば相手も楽しめるのか?」を遊びの中で学んでいるのです。

  1. 仲間との協力を学ぶ

戦隊ものは、1人のヒーローではなく、チームで戦うことが多いです。これは、子どもたちに「仲間と力を合わせることの大切さ」を伝えてくれます。

実際に戦いごっこをしていると、チームを組んだり、役割を決めたりする姿が見られます。このような遊びの中で、子どもたちは「協力する楽しさ」や「仲間意識」を育んでいるのです。

戦いごっこがエスカレートするときの対応

戦いごっこは子どもたちにとって大切な遊びですが、時にはエスカレートして怪我やトラブルになることもあります。だからといって、単純に「戦いごっこは禁止!」としてしまうと、子どもたちはエネルギーを発散できず、不完全燃焼になってしまうかもしれません。

では、どのように対応すればよいのでしょうか?

  1. 遊ぶ前にルールを決める

戦いごっこをする前に、基本的なルールを決めておくことで、トラブルを減らすことができます。例えば、次のようなルールです。

顔やお腹は狙わない(手や足など、安全な部分を意識する)

おもちゃの剣などを使うときは、優しく振る

相手が「痛い」と言ったらすぐにやめる

勝ち負けを決めすぎない(やられ役も楽しむ)

このように事前にルールを伝えておくと、子どもたちも「どうすれば楽しく遊べるか?」を意識しやすくなります。

  1. 途中で様子を見て、声をかける

遊びがヒートアップしてきたら、適度に声をかけてクールダウンを促すのも大切です。例えば、

「おっと、ちょっと強くなりすぎてない?」

「今の攻撃、相手は楽しそうだった?」

など、遊びの流れをコントロールできるようにするのも一つの方法です。

  1. 誰かが泣いたときの対応

もし、誰かが泣いてしまったり、怪我をしてしまったりした場合は、次のように対応するとよいでしょう。

  1. まず気持ちを受け止める:「痛かったね」「びっくりしたね」と、感情に寄り添う。
  2. 状況を整理する:「どうしてこうなったのかな?」と、子どもたちに話させる。
  3. 次にどうすればいいかを考えさせる:「戦いごっこは楽しいけど、相手が痛がると楽しくなくなるよね。どうすればもっと楽しくできるかな?」と、子どもたち自身に考えさせる。

これにより、単に「叱られるからやめる」のではなく、「どうすればみんなが楽しく遊べるか?」を学ぶことができます。

  1. 「やられ役」も楽しめるようにする

戦いごっこでは、「勝ちたい!」という気持ちが強くなりすぎることがあります。しかし、「やられ役」も面白いことを伝えると、勝ち負けへのこだわりが減り、トラブルが起きにくくなります。

例えば、ヒーローにやられたときに「うわぁぁぁ!やられたぁぁ!」と大げさに倒れると、それを見てみんなが笑って楽しい雰囲気になります。こうした演技を取り入れることで、遊びがより楽しく、安全になることもあります。

  1. 体を動かす他の遊びに誘導する

もし戦いごっこが激しくなりすぎた場合は、鬼ごっこや相撲ごっこ、ボール遊びなどに切り替えるのも一つの方法です。

まとめ

男の子が戦隊ものや勧善懲悪のストーリーにひかれるのは、本能的な部分や成長過程での興味と深く関係しています。そして、戦いごっこは子どもたちにとって大切な遊びの一つです。

大人としては、「どうすれば安全に楽しめるか?」を意識し、適切なルールや関わり方を考えることが重要です。ただ禁止するのではなく、遊びの中でルールや思いやりを学べるようにサポートしていきましょう。

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