子どもの自己肯定感が高いと、ちょっとした失敗で落ち込んだり、人の目を気にしすぎたりせず、自分らしくのびのびと成長していけます。
でも、「自己肯定感を高める」と言われても、具体的に何をすればいいのか、迷うこともありますよね。
今回は、子育て中の保護者や保育の現場で子どもと関わる先生方に向けて、「すぐにできること」「ちょっと意識すると変わること」を中心に、自己肯定感を育む関わり方をご紹介します。
- 「できた!」を一緒に喜ぶ
自己肯定感を育てるためには、子ども自身が「自分はできるんだ」と思える体験が大切です。
子どもが何かをやり遂げたとき、どんなに小さなことでも「すごいね!」「やったね!」と一緒に喜ぶことで、「自分には力がある」と感じやすくなります。
たとえば、
ボタンを自分でとめられた
いつもより高いところに登れた
お友だちに「どうぞ」が言えた
こんな些細なことでも、子どもにとっては「成長の証」。その場でリアクションを返すことで、自分の成長を実感しやすくなります。
「すごいね!」だけではなく、「自分でやってみようと思ったんだね」「頑張ったね」と、過程にも目を向けると、より自信につながりますよ。
- 「大好き」をちゃんと伝える
子どもが安心して成長するためには、「愛されている」「大切にされている」という実感が何よりも大切です。
「そんなの当たり前に思ってるよ!」という方も多いと思いますが、言葉や行動で伝えないと、子どもには伝わりにくいことも。
たとえば、
「〇〇ちゃんのこと、大好きだよ」とストレートに伝える
ギュッと抱きしめる
頭をなでる
「一緒にいると楽しいな」と言ってみる
こうした何気ないやりとりが、子どもの「自分はここにいていいんだ」という安心感につながります。
特に、子どもが失敗したときや叱ったあとは、「怒られた=嫌われた」と思いやすいもの。そんなときこそ「大好きは変わらないよ」と伝えると、自己肯定感が揺らぎにくくなります。
- 「〇〇しなさい」よりも「〇〇してみる?」
子どもに何かを伝えるとき、つい「〇〇しなさい」「〇〇はダメ」と言ってしまいがち。でも、これが続くと「自分の気持ちはどうでもいいのかな」と感じてしまうことも。
そんなときは、少し言葉を変えてみるのがポイントです。
「早くしなさい!」 → 「そろそろ行く準備しようか」
「片づけなさい!」 → 「一緒に片づけてみようか?」
「静かにしなさい!」 → 「小さな声でお話しできる?」
ほんの少し柔らかい表現にするだけで、子どもも「やらされてる」ではなく、「自分でやろう」と思いやすくなります。
自己肯定感を育てるためには、「自分の気持ちを尊重してもらえている」と感じることが大事。命令口調を減らすだけでも、子どもの気持ちがぐっと前向きになりますよ。
- 失敗しても「大丈夫」と伝える
子どもは失敗を繰り返しながら成長していきます。だからこそ、失敗したときの対応がとても大切です。
「なんでできないの?」ではなく、
「惜しかったね!もう少しでできそうだったね」
「失敗しても大丈夫だよ」
「次はどうすればいいかな?」
こんな声かけをすることで、「失敗=ダメなこと」ではなく、「成長のチャンス」と捉えられるようになります。
もし子どもが落ち込んでいたら、昔の自分の失敗談を話してあげるのもおすすめ。「大人だってうまくいかないことがある」と知ることで、気持ちが軽くなることもありますよ。
- 「あなたはどうしたい?」を大事にする
子どもにとって、自分で考えて決める経験はとても大切です。
「こうしなさい」と指示されるよりも、「どうしたい?」と聞かれるほうが、「自分の気持ちを大事にしてもらえている」と感じやすくなります。
たとえば、
服を選ぶとき「どっちがいい?」と聞いてみる
遊ぶ場所を決めるとき「今日はどこで遊びたい?」と相談する
食事のメニューを考えるとき「どっちを食べたい?」と選ばせる
こうした小さな積み重ねが、「自分で決める力」につながり、自己肯定感を高めることにつながります。
もちろん、全部のことを自由にさせる必要はありません。でも、選択肢を与えたり、意見を聞いたりするだけで、子どもは「自分の考えを大切にしてもらえている」と感じるものです。
- 「比べない」を意識する
つい言ってしまいがちなのが、他の子と比べる言葉。
「〇〇ちゃんはもうできるよ」
「お兄ちゃんはそんなことしなかったのに」
こうした言葉は、子どもに「自分はダメなんだ」と思わせてしまうことがあります。
大切なのは、「昨日の自分」と比べること。
「昨日より速く走れたね!」
「前よりも上手にできたね!」
こんな声かけをすると、「自分の成長」に目を向けられるようになります。
子どもはみんな、それぞれのペースで成長します。他の子と比べるのではなく、その子自身の成長を一緒に喜んでいけるといいですね。
まとめ
自己肯定感を高めるために大切なのは、特別なことをするのではなく、日々の関わり方を少し意識すること。
「できた!」を一緒に喜ぶ
「大好き」をちゃんと伝える
「〇〇しなさい」よりも「〇〇してみる?」に変えてみる
失敗しても「大丈夫」と伝える
「あなたはどうしたい?」を大事にする
「比べない」を意識する
どれも、今日から少しずつ取り入れられることばかりです。
完璧を目指す必要はありません。「できることからやってみよう!」くらいの気持ちで、子どもと一緒に成長していけるといいですね。


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