子どもたちに何かを伝えるとき、なかなか聞いてくれなかったり、反応が薄かったりすることはありませんか?特に、避難訓練や遊びの切り替え、トイレの時間など、子どもたちが気持ちを切り替えるのが難しい場面では、声かけの工夫がとても大切になります。
ここでは、保育や子育ての中で役立つ「子どもが話を聞きやすくなる声かけのコツ」を紹介します。ぜひ、実際の現場で試してみてください。
- 避難訓練のときの声かけの工夫
避難訓練では、子どもたちが素早く行動できるように、短く・はっきり・安心感をもたせる 声かけがポイントになります。
① 短く、はっきり伝える
「静かに歩こう」「先生のところに集まろう」など、一度に伝える指示はひとつずつにします。
例えば、「急いで!でも走らないで!」のような矛盾した指示は、子どもを混乱させてしまいます。「落ち着いて歩こう」とシンプルに伝えると、子どもも理解しやすくなります。
② 具体的な行動を伝える
「静かにして!」ではなく、「お口をチャックしよう」「おしゃべりはなしでね」など、具体的な動作を伝えると、子どもがすぐに実行しやすくなります。
③ 声のトーンを落ち着かせる
大人が焦ってしまうと、子どもも不安になります。避難訓練のときは、低めでゆっくりした声で伝えると、子どもたちも落ち着いて行動できます。
④ 事前に「合言葉」を決めておく
例えば、「お・は・し・も(押さない・走らない・しゃべらない・戻らない)」のように、短いフレーズを繰り返し伝えておくと、本番でも思い出しやすくなります。
⑤ 「怖い」より「守る」を意識させる
「地震が来たら危ないよ!」ではなく、「大事な体を守るためにダンゴムシのポーズをしよう!」のように、前向きな理由を伝えると、子どもが納得しやすくなります。
- 遊びから活動へ気持ちを切り替える声かけ
遊びの時間が終わり、次の活動へ移るとき、子どもがスムーズに切り替えられず困ることはありませんか?
① 予告する(○分後に終わることを伝える)
「あと3分でお片付けだよ」「もうすぐおしまいの時間だよ」と少し前に予告しておくと、心の準備ができます。
砂時計を使ったり、「この曲が終わったらお片付け!」のように視覚や音で伝えるのも効果的です。
② 遊びを終わりではなく「次の楽しみ」につなげる
「もう遊びは終わり!」ではなく、「次は絵本タイムだよ!」「お給食の時間がやってくるよ!」のように、次の活動にワクワクできる言い方をすると、子どもも納得しやすくなります。
③ 遊びを「巻き込んで」終わらせる
「どっちが早くしまえるかな?」「おもちゃさんもおうちに帰りたがってるよ~」など、遊びの延長としてお片付けを進めると、楽しく切り替えられます。
④ 「○○するよ!」と明確に伝える
「そろそろ片付けようね」だと、子どもは「まだ遊んでいい?」と感じてしまいます。「おもちゃをお片付けするよ!」と、指示を明確にするのがポイントです。
⑤ 一緒にやる
「早くしなさい!」ではなく、「先生と一緒にお片付けしよう!」と大人も動くと、子どももついてきやすくなります。
- トイレでふざけてしまう子たちへの声かけ
トイレの時間になると、ついふざけてしまう子は多いですよね。遊びの延長にならないようにするためには、ルールをしっかり伝えることが大切です。
①「トイレは何をする場所?」と問いかける
「トイレって何をするところだっけ?」と聞くと、子ども自身が目的を思い出しやすくなります。
② 短く、具体的に伝える
「静かにしなさい!」ではなく、
「足はペタペタ歩こう」
「お口はおやすみ」
のように、子どもがイメージしやすい表現を使うと、伝わりやすくなります。
③ ふざける前に「ルール」を決める
トイレに行く前に、「トイレ3つのお約束!」を伝えると、子どもも守りやすくなります。
- しずかにする
- すぐに出る
- きれいに使う
④ 遊び感覚で切り替える
「静かに出られるかな?忍者さんみたいにそーっと歩こう!」のように、遊びを交えてルールを守る工夫をすると、子どもも楽しんで切り替えられます。
⑤「次の楽しみ」を伝える
トイレで遊んでしまう子は、次にやることがイメージできていないことが多いです。「終わったらお外に行こう!」「お部屋で絵本タイムだよ!」のように、次の活動を楽しみなものとして伝えると、スムーズに進みます。
まとめ
子どもに伝えたいことがあるときは、
短く、はっきり伝える
具体的な行動を示す
安心感をもたせる
次の活動につなげる
ことを意識すると、話を聞きやすくなります。
日々の声かけを少し工夫するだけで、子どもたちの反応が変わることもあります。ぜひ、今日から試してみてくださいね!



コメント