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保育に生かす「空の巻」――こだわりを手放し、“今”を生きる

保育

宮本武蔵が書いた五輪書。
その最後を飾るのが、「空の巻」です。

ここで語られている「空」は、
なにもない、という意味ではありません。

むしろ、
どんな形にもなれる自由さや、
目には見えないけれど確かに存在する豊かさを表しています。

この考え方は、保育の世界にも、深くつながっています。


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「こうあるべき」を手放してみる

子どもと向き合うとき、
私たちはつい「こうしなきゃ」「こうあるべき」と考えがちです。

「早く泣きやんでほしい」
「ちゃんと順番を守ってほしい」
「友だちと仲良く遊んでほしい」

そんなふうに、
子どもに「理想の姿」を求めたくなることもあります。

でも、「空の巻」が教えてくれるのは、
いったんこだわりを手放してみることです。

子どもの今の姿を、
ありのまま受けとめてみる。

「泣いているね」
「怒っているんだね」
「今日は一人で遊びたい気分なんだね」

そんなふうに寄り添うと、
子どもたちは、自分らしさを取り戻していきます。


子どもは、いつも変わりつづけている

「空」は、
決まった形をもたず、自由に変化していきます。

それは、子どもたちも同じです。

昨日できなかったことが、今日はできる。
昨日好きだった遊びに、今日は見向きもしない。

成長のスピードも、興味の向きも、
一人ひとりまったくちがいます。

その変化を、
無理にコントロールしようとせず、
ただ「そうなんだね」と受けとめる。

すると、子どもたちの中にある力が、
自然と芽を出していきます。


見えないものを信じる

「空」は、空っぽではありません。
目には見えないだけで、豊かなものが満ちています。

同じように、
子どもたちの心の中にも、
たくさんの芽が隠れています。

じっとしている時間。
泣いている時間。
ぼーっと空を見ている時間。

一見、なにも育っていないように見えるときにも、
子どもたちはたしかに“今”を生きています。

保育者にできるのは、
その「見えない成長」を信じて、待つこと。

今ここにいる子どもを、そのまま信じること。


「空」の保育へ

五輪書の最後に語られた「空」。

それは、
すべての知識や技を積み上げた先に、
すべてを手放し、自由になる境地です。

保育もきっと、同じです。

学び、経験を重ねながらも、
ときにはそれをそっと置き、
目の前の子どもたちと“今”を一緒に生きる。

型にしばられず、
でも、型を忘れない。

そんな「空」の保育を、
私たちも、少しずつ、育んでいきたいですね。

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