はじめに
乳幼児の食事は、成長に欠かせない大切な要素です。しかし、食物アレルギーがある子どもにとっては、食事が命に関わることもあります。特に、離乳食を始める時期や保育園・幼稚園での給食では、慎重な対応が求められます。
この記事では、乳幼児の食事とアレルギー対応について、子育て世代や保育職の先生方に向けて分かりやすく解説します。
- 乳幼児の食事の基本
乳幼児の食事は、生後5〜6か月頃から始まる「離乳食」を通じて徐々に大人の食事へと移行していきます。以下の点に注意しながら進めていきましょう。
1-1. 離乳食の進め方
生後5〜6か月頃:おかゆや野菜のすりつぶしなど、なめらかなものからスタート。
生後7〜8か月頃:豆腐や白身魚など、少しずつ食材を増やす。
生後9〜11か月頃:柔らかく煮た肉や野菜など、手づかみ食べができるものを。
1歳頃:大人の食事に近づけていく。
1-2. 栄養バランス
成長期の子どもには、特に以下の栄養素が重要です。
鉄分(レバー、ほうれん草など)
カルシウム(豆腐、ヨーグルトなど)
ビタミン類(野菜、果物など)
しかし、食物アレルギーを持つ子どもには、特定の食品が原因となることがあります。では、食物アレルギーとはどのようなものなのでしょうか?
- 食物アレルギーとは?
食物アレルギーとは、特定の食品を食べたときに、免疫システムが過剰に反応してしまう状態のことです。
2-1. 主なアレルゲン(原因食品)
食物アレルギーの原因となりやすい食品には、以下のものがあります。
卵
牛乳
小麦
大豆
ピーナッツ
甲殻類(エビ・カニ)
2-2. アレルギー症状と兆候
アレルギー症状は、軽いものから重篤なものまでさまざまです。
皮膚の症状:じんましん、赤み、かゆみ。
消化器の症状:嘔吐、下痢、腹痛。
呼吸器の症状:くしゃみ、咳、ゼーゼーする呼吸。
アナフィラキシー:血圧低下、意識もうろう、呼吸困難(救急対応が必要)。
では、万が一アレルギー症状が出た場合、どのように対応すればよいのでしょうか?
- アレルギー発症時の対応
3-1. 緊急時の対応(救急車を呼ぶべき場合)
以下の症状が出た場合は、すぐに119番通報をしましょう。
呼吸が苦しそう
顔色が悪く、ぐったりしている
唇やまぶたが腫れている
3-2. 救急車が来るまでの応急処置
- アレルゲンを取り除く(口の中の食べ物を拭き取る)
- エピペン(処方されている場合)は太ももに注射
- 呼吸がしやすい姿勢をとらせる
- 意識がない場合は心肺蘇生(CPR)を実施
このような状況を避けるためにも、日常的にアレルギー対策をしっかり行いましょう。
- アレルギーを未然に防ぐ方法
4-1. 離乳食は少しずつ進める
新しい食材は1日1種類ずつ試す。
病院が開いている時間に食べさせる。
最初はごく少量から始める。
4-2. 食材ごとの進め方
卵:6か月頃から、まずは加熱した卵黄を試す。
小麦:うどんなどを柔らかくして与える。
牛乳:加熱したものからスタート。
4-3. 誤食を防ぐための環境づくり
家庭ではアレルギー食品を分けて保管。
保育園・幼稚園では個別対応メニューを用意。
誤食のリスクを減らすために情報共有を徹底。
- まとめ
乳幼児の食事は、成長にとってとても大切なものですが、食物アレルギーのリスクも考慮しなければなりません。アレルギーを持つ子どもが安全に食事を楽しめるよう、
離乳食は慎重に進める
アレルギー症状を早期に察知する
万が一の対応を事前に学んでおく
といったことを意識しておくことが大切です。
保育職の先生方や子育て中の皆さんが、アレルギー対応について正しい知識を持ち、安全な食事環境を整えることで、すべての子どもたちが安心して食事を楽しめるようになることを願っています。



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