「子どもが話を聞いてくれない」
「何度言っても行動してくれない」
保育士さんや子育て中の方なら、一度はこんな悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか?
実は、子どもが話を聞くかどうかには 「好意の原理」 が大きく関係しています。
心理学者ロバート・チャルディーニの『影響力の武器』によると、人は 「好きな人」「親しみを感じる人」 の言葉に従いやすい傾向があります。
これは保育や子育てにも応用できる考え方です。 「この先生が言うなら聞こう」「この親の言葉は大事だ」 と思ってもらえれば、話を聞く姿勢が自然と生まれます。
では、具体的に 「好意の原理」 をどう活用すればいいのか?
今回は、子どもとの信頼関係を築くための5つの方法を紹介します。
- 「共通点」を見つけて親しみを持たせる
好意の原理では、「似ている」と感じる人に親近感を持ちやすい ことが分かっています。
子どもと関わるときも、 「共通点」を意識して見つける ことで、関係がぐっと縮まります。
✅ 例えばこんな声かけ
「先生もポケモン大好き!〇〇くんの推しポケモンは?」
「今日、青い靴下だね!先生も青が好きだよ!」
「〇〇ちゃんの好きな絵本、先生も読んだことあるよ!」
ポイントは、「小さなこと」でもいいので、共通点を見つけること。
「自分と似ている先生だ」と思うと、子どもは自然と心を開きやすくなります。
- 「笑顔」と「名前」をセットで伝える
人は、笑顔で接してくれる相手に好意を持ちやすい という研究があります。
特に子どもは、表情の影響を受けやすいので、 「笑顔」 で接するだけでも信頼関係が築きやすくなります。
✅ こんな声かけを意識しよう
笑顔で「おはよう、〇〇くん!」(名前を呼ぶと特別感が出る)
目を見て「今日も元気だね!」(相手をしっかり見ることで安心感UP)
困っているときこそ「大丈夫だよ」(優しい表情で落ち着かせる)
たとえ「おはよう!」に返事がなくても、毎日続けることで 「この先生は自分を見てくれている」 という安心感につながります。
- まずは「子どもの話」を聞く(傾聴の姿勢)
好意の原理では、「自分のことを理解してくれる人」に対して心を開きやすい という特徴もあります。
つまり、子どもに話を聞いてほしいなら、まずは大人が子どもの話を聞くことが大切 です。
✅ 実践のコツ
子どもが話し始めたら 手を止めてしっかり聞く(「今あなたの話が大事だよ」と伝わる)
「それでどうなったの?」「〇〇くんはどう思った?」と 続きを促す
「なるほど、それは楽しかったね!」と 共感を示す
大人が子どもの話をしっかり聞くことで、「この先生(親)は自分のことを大切に思ってくれている」 と感じ、自然と話を聞く姿勢が育ちます。
- 「ポジティブな言葉」で子どもの良い行動を強化する
「話を聞かない!」と叱るよりも、 「話を聞けたとき」にポジティブな言葉をかける ほうが、次も話を聞こうという意欲につながります。
✅ 効果的な声かけの例
「今ちょっと先生の話聞いてくれたね!ありがとう!」
「〇〇くん、さっきすごく静かに座れたね!」
「聞いてくれたから、次の楽しいことがスムーズにできたね!」
「できたこと」に注目し、すぐに伝えることで、子どもは「話を聞くこと=いいこと」 だと感じるようになります。
- 子どもと「一緒に活動する」ことで距離を縮める
好意の原理では、「一緒に何かをすると、親しみを感じやすい」という特徴もあります。
特に、最初の関係づくりでは 「一緒に楽しむ時間」 を作ることが大切です。
✅ 例えばこんな活動
一緒に絵を描く(「〇〇くん、先生と一緒にお絵かきしよう!」)
ちょっとしたゲームをする(「先生もやってみるから、〇〇くんもやろう!」)
お片付けを一緒にする(「先生もやるから、一緒にやろう!」)
「先生(親)が一緒にやってくれる」と思うと、子どもは安心して関われるようになります。
まとめ|「好意の原理」を活用すれば子どもは話を聞いてくれる!
子どもが話を聞いてくれないとき、いきなり「聞きなさい!」と言っても逆効果になることが多いです。
大切なのは、まず 「先生(親)のことが好き」「この人の話を聞きたい」と思ってもらうこと。
「好意の原理」を活かした関わり方
✅ 共通点を見つけて親しみを持たせる(「先生もそれ好きだよ!」)
✅ 笑顔と名前をセットで伝える(「おはよう、〇〇くん!」)
✅ まずは子どもの話をしっかり聞く(「それでどうなったの?」)
✅ ポジティブな言葉で行動を強化する(「さっきすごく聞けたね!」)
✅ 一緒に活動する時間を作る(「先生もやってみる!」)
この積み重ねによって、 子どもは安心し、大人の話を聞きやすくなる のです。
「どうして話を聞いてくれないんだろう?」と悩んだときこそ、まずは関係づくりから 始めてみましょう!
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