保育の仕事では、子どもと向き合うことが大切ですが、同じくらい大切なのが保護者との関係づくりです。
「なんとなく話しにくいな」「どう関わったらいいのかわからない」
そんなふうに感じたことはありませんか?
保護者と信頼関係が築けると、子どもにとってより良い環境が作れます。先生自身も、保育のやりがいを感じやすくなります。
今回は、保護者との信頼関係を築くためのポイントを、具体的な例をまじえながらお伝えします。
- 毎日のあいさつと一言を大切にする
保護者との関係づくりは、特別なことをする必要はありません。
まずは「おはようございます!」「お帰りなさい!」など、毎日のあいさつを大切にしましょう。
例:あいさつに一言プラスする
たとえば、
✅ 「おはようございます!◯◯ちゃん、今日は元気いっぱいですね!」
✅ 「お帰りなさい!今日はお絵かきがとても上手でしたよ!」
このように、一言そえるだけで、「先生はうちの子をちゃんと見てくれているんだ」と感じてもらえます。
反対に、「おはようございます」だけだと、事務的に聞こえてしまうことも。
保護者が「話しかけやすい先生だな」と思えるように、笑顔で一言をプラスすることが大事です。
- いいところを積極的に伝える
保護者は、子どもの成長をとても気にしています。
でも、仕事や家事で忙しく、「うちの子、大丈夫かな?」と不安になることもあります。
そんなとき、先生から子どものいいところを伝えてもらえると、保護者はとても安心します。
例:具体的に伝える
❌ 「今日も元気でしたよ!」
⭕ 「今日はお友だちと一緒に積み木を作って、こんなすてきなお城ができました!」
「元気でした」だけではなく、「何をしたのか」「どんな様子だったのか」を具体的に伝えると、保護者もうれしくなります。
「こんな小さなことを伝えてもいいのかな?」と思うことでも、保護者にとっては大切な情報です。
積極的に伝えていきましょう。
- 保護者の話をじっくり聞く
信頼関係を築くには、「話を聞くこと」がとても大切です。
先生から話すことも必要ですが、保護者が話しやすい雰囲気を作ることが、より良い関係につながります。
例:聞く姿勢を意識する
✅ うなずきながら聞く
✅ 途中で口をはさまずに最後まで聞く
✅ 「なるほど」「そうなんですね」と共感を示す
保護者が悩みを話したとき、すぐにアドバイスをするのではなく、まずは「そうなんですね」「大変でしたね」と気持ちを受け止めることが大事です。
たとえば、
「夜泣きが続いて、私も寝不足で…」と話す保護者に対して、
❌ 「それは早く寝かせたほうがいいですね!」
⭕ 「夜泣きが続くと、本当に大変ですよね…。◯◯ちゃんも、きっとたくさん刺激を受けたんですね。」
このように、すぐに解決策を言わずに、まずは気持ちに寄りそうことで、保護者は「この先生は私の気持ちをわかってくれる」と感じます。
- トラブルがあったときこそ、冷静に伝える
保育をしていると、子ども同士のトラブルが起きることもあります。
そんなとき、保護者にどのように伝えるかが、とても重要です。
「トラブルの報告=悪いこと」ではなく、
「子どもたちの成長の過程」として伝えることがポイントです。
例:冷静に、成長につながる視点で伝える
❌ 「今日は◯◯くんとけんかをしました」
⭕ 「今日はおもちゃの取り合いがありました。でも、その後『かして』と言えましたよ」
「けんかをした」と言うと、保護者は「うちの子が悪かったのかな?」と心配になります。
それよりも、「こんな成長がありました」とプラスの視点を伝えると、保護者も安心します。
もし、けがをしてしまった場合は、
✅ どのような状況だったのか
✅ すぐにどんな対応をしたのか
✅ その後の様子
を落ち着いて伝えることが大切です。
たとえば、
「遊んでいるときに転んで、ひざをすりむいてしまいました。すぐに消毒して、今は元気にしています!」
このように、事実を冷静に伝えることで、保護者も落ち着いて受け止められます。
- 行事や日々の様子を共有する
保護者は、子どもが園でどんなふうに過ごしているのか知りたがっています。
行事だけでなく、普段の何気ない様子を伝えると、より信頼関係が深まります。
例:写真や手紙を活用する
✅ 連絡帳にちょっとしたエピソードを書く
✅ 写真を掲示する・アルバムにする
✅ 行事のあとに、子どもたちの様子をお知らせする
たとえば、遠足のあとに、
「今日はたくさん歩いて、お弁当もおいしそうに食べていました!」
と書くだけでも、保護者は「行かせてよかったな」と感じます。
最近では、アプリやLINEを活用して、写真や動画を送る園も増えています。
「今日も楽しく過ごしているんだな」と感じてもらえる工夫をすると、信頼関係が深まります。
おわりに
保護者との信頼関係を築くために、特別なことをする必要はありません。
毎日のあいさつ、子どものいいところを伝える、話を聞く、冷静に報告する、日々の様子を共有する
この5つを意識するだけで、少しずつ関係が良くなっていきます。
「この先生になら、安心して預けられる」
そう思ってもらえることが、先生にとってもうれしいことですよね。
今日からできることを少しずつ実践して、保護者との信頼関係を深めていきましょう!



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