しつけって何？「厳しくすること」だけじゃない、大切な考え方

「しつけ」という言葉を聞くと、どんなイメージを持ちますか？

「厳しくしないとダメ」
「叱らないと覚えない」
「ちゃんとしないと恥ずかしい」

こんなふうに、「しつけ＝厳しくすること」と考えている人も多いかもしれません。でも、本当に大切なのは、「社会の中で気持ちよく過ごすための習慣を身につけること」です。

たとえば、「ありがとう」や「ごめんなさい」が言える」「順番を守る」「人に迷惑をかけない」など。これは、「こうしなさい！」と無理に押し付けるものではなく、日々の関わりの中で自然に身につけていくものです。

では、どうすれば子どもが自分から「やりたい」「そうするのが当たり前」と思えるようになるのでしょうか？今回は、「しつけ」のポイントを、いくつかの視点で考えていきます。

「ダメでしょ！」「なんでそんなことするの！」とつい言ってしまうこと、ありますよね。子どもは同じことを何度も繰り返すし、親としては「何回言ったらわかるの！」とイライラしてしまうこともあります。

でも、しつけは「叱ること」ではなく「どうしてそれが大事なのかを伝えること」です。

たとえば、子どもがスーパーで走り回っていたら、
「走っちゃダメ！」ではなく、
「ここはお店だから、ほかの人にぶつかると危ないね」
と理由を伝えます。

手洗いをしないときも、
「手を洗いなさい！」ではなく、
「バイキンがいるかもしれないから、手を洗うと元気でいられるよ」
と伝えると、子どもも納得しやすくなります。

ただ怒られると、「怒られたからやらないと…」という気持ちになります。でも、理由を理解できると、「自分で気をつけよう」という気持ちにつながるんです。

子どもは、大人のまねをして成長します。親が「しっかりしつけをしよう！」と思っていても、自分の行動が子どもに影響を与えていることを忘れてはいけません。

たとえば、「食事中にスマホをいじらない」と言っているのに、大人がスマホを見ていたら？
「ちゃんと挨拶しなさい！」と言っているのに、親が近所の人に挨拶をしていなかったら？

子どもは、「口で言われたこと」よりも「実際に見たこと」のほうを覚えます。だからこそ、大人が「こういうふうにすると気持ちいいよ」「こうしたら楽しいね」という姿を見せることが、何よりのしつけになります。

まずは、親自身が「お手本」になってみる。すると、子どもも自然とその行動をまねするようになります。

しつけというと、「できなかったことを直す」ことに目が行きがちです。でも、それよりも大事なのは、「できたことを認める」こと。

たとえば、子どもが自分から「ありがとう」と言えたとき。
「ちゃんと言えてえらいね！」と伝えるだけで、子どもは「もっとやろう！」という気持ちになります。

「片付けなさい！」と言うよりも、少しでも片付けができたときに、
「おもちゃを元の場所に戻せたね！」と声をかける。

「ご飯のとき、静かに座れてたね！」
「お友だちに順番を譲れたね！」

小さなことでも、「できたこと」に目を向けると、子どもはどんどん前向きになります。

子どもは好奇心のかたまり。「これはダメ！」「あれもしちゃダメ！」と制限ばかりされると、「何をしたらいいの？」と迷ってしまいます。

だから、「ダメ！」の代わりに、「こうすればいいよ」を伝えることが大切です。

たとえば、壁に落書きをしたとき。
「壁に描いちゃダメ！」だけじゃなく、
「お絵かきは紙にするといいよ」と伝える。

大声を出していたら、
「静かにしなさい！」じゃなくて、
「ここでは小さい声でお話ししようね」と伝える。

「どうすればいいのか」を具体的に伝えることで、子どもも理解しやすくなります。

「何度言ってもできない…」
「いつになったら身につくの？」

そう思うこと、ありますよね。でも、しつけは「一回言ったらすぐにできるもの」ではなく、「繰り返し伝えて、少しずつ身についていくもの」です。

子どもは、何度も失敗しながら成長します。だから、「まだできない…」と焦るのではなく、「この子のペースで身につけていけばいい」と思うことが大切です。

親ができることは、「見守ること」そして「できたときに喜んであげること」です。

まとめ：「しつけ」は、子どもと一緒に作るもの

しつけは、厳しくすることではなく、社会の中で気持ちよく過ごすための習慣を身につけることです。そして、それは親が一方的に押し付けるものではなく、子どもと一緒に作っていくものです。

これらを意識すると、しつけは「厳しいもの」ではなく、「子どもと一緒に育っていく時間」になります。

「うちの子、なかなかできないな…」と思うことがあっても、大丈夫。少しずつ、少しずつ、子どもは成長しています。一緒に、楽しくしつけをしていきましょう！