子どもに「怒る」と「叱る」の違いを考えたことはありますか?
子どもと接していると、「つい怒ってしまった…」と後で反省すること、ありますよね。でも、「怒る」と「叱る」は実は違うものです。
怒るときは、大人の感情が強く出てしまい、つい大きな声を出したり、強い言葉を使ってしまうことが多いですよね。でも、叱るときは「なぜダメなのか」を伝えて、次にどうすればいいかを一緒に考えることが大切です。
とはいえ、日々の子どもとの関わりの中で、感情的にならずに叱るのは簡単ではありません。一緒に、「怒る」と「叱る」の違いや、上手に叱るためのポイントを考えてみませんか?
- 「怒る」と「叱る」はどう違う?
まずは、この2つの違いを整理してみましょう。
怒るのは、大人がストレスを発散するような形になってしまいがちで、子どもには「怖い」「どうしてダメなのかわからない」と伝わってしまうことが多いです。
一方で、叱るのは「なぜいけないのか」を伝え、子どもが納得できる形にすることで、次に同じことをしないように学ぶ機会になります。
- つい怒ってしまうのは、どんなとき?
冷静に叱ろうと思っていても、つい怒ってしまうことはありますよね。どうしてそうなるのか、一緒に考えてみましょう。
① 大人に余裕がないとき
疲れていたり、時間に追われていたりすると、気持ちに余裕がなくなり、ちょっとしたことでイライラしやすくなります。
② 「もうわかっているはず」と思うとき
「もう〇〇ができるはずなのに」「なんでまた同じことをするの?」と思うと、つい感情的になってしまうこともあります。
③ 何度も繰り返されるとき
「何回言ったらわかるの!」と、同じことを注意し続けると、ストレスが溜まって怒りやすくなります。
④ 「しつけ=厳しくすること」と思っているとき
「甘やかしてはいけない」「厳しくしないと伝わらない」と思っていると、つい強い言葉になってしまうことも。
こうした状況を知ることで、「今、自分は怒ってしまいやすい状態かもしれない」と気づけるようになります。それだけでも、感情的になるのを少し抑えられるかもしれません。
- 「叱る」ときに大切にしたいポイント
では、どうすれば「怒る」のではなく「叱る」ことができるのでしょうか?いくつかのポイントを見てみましょう。
① 冷静に話す
感情的にならず、落ち着いたトーンで話すことが大切です。深呼吸をしたり、少し間をおいたりするのも効果的です。
② 子どもの目を見て伝える
目を見て伝えることで、真剣さが伝わり、子どもも話を聞きやすくなります。
③ 「何がいけなかったのか」を伝える
「ダメ!」だけではなく、「どうしてダメなのか」を具体的に伝えましょう。
×「なんでそんなことするの!」
○「おもちゃを投げると壊れるし、危ないからやめようね」
④ 行動を指摘する
子どもの人格を否定するのではなく、行動にフォーカスしましょう。
×「あなたはダメな子!」
○「お友達を叩くのはダメだよ」
⑤ 子どもの気持ちを認める
「〇〇したかったんだね。でも□□はダメだよ」というように、気持ちに共感しながら伝えると、受け入れやすくなります。
⑥ 短く、わかりやすく伝える
長い説教は子どもが聞く気をなくしてしまいます。シンプルな言葉で伝えることが大切です。
⑦ 叱った後にフォローする
叱った後、そのままにせず、「次はどうすればいいと思う?」と一緒に考える時間を作ると、子どもも前向きに行動できるようになります。
- 怒らずに伝えるための工夫
怒るのではなく、冷静に叱るために、日常の中でできる工夫を考えてみましょう。
① あらかじめルールを決める
「これをしたらこうなる」というルールを決めておくと、その場で感情的に怒る必要が減ります。
② 「ダメ!」ではなく「こうしようね」と伝える
×「ダメ!」
○「おもちゃは優しく使おうね」
③ 怒りそうになったら深呼吸する
一呼吸おくだけでも、冷静になりやすくなります。
④ 良い行動を見つけてほめる
叱るだけでなく、「できたこと」にも目を向けると、子どもはもっと前向きになります。
⑤ 自分のストレスを上手に発散する
大人が余裕を持てるように、自分自身のケアも大切です。
まとめ
「怒る」と「叱る」の違いを知り、冷静に伝えることで、子どもが自分で考えて行動できるようになります。
・感情的にならず、落ち着いて伝える
・子どもの気持ちに共感しながら、ルールを伝える
・行動を指摘し、人格を否定しない
・短く、わかりやすく伝える
・叱った後にフォローする
こうしたポイントを意識しながら、一緒により良い関わり方を考えていきませんか?
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