年中さん(4〜5歳)になると、子どもたちの心と体の成長がぐんと進みます。自己主張がはっきりしてくる一方で、まだまだ未熟な部分も多く、保育現場や家庭でさまざまなトラブルが起きやすい時期です。
この記事では、年中さん特有の問題を年少さんと比較しながら、その違いや対処法をやさしい言葉で紹介していきます。
保育士さんや子育て中の保護者の方にとって、明日から使えるヒントをお届けします。
友だちとのケンカが増える時期
年中さんになると、友だちと「一緒に遊ぶ」場面が増えてきます。
それに伴って、
順番をめぐるケンカ
ルールの取り合い などが起きやすくなります。
年少さんは自己中心的な衝突が多かったのに対し、年中さんでは”一緒に”を意識するからこそのぶつかり合いが特徴です。
対処のヒント:
「どうしたら二人とも楽しく遊べるかな?」
自分たちで解決する力が少しずつ育っている時期なので、すぐに大人が介入せず、考える機会を与えてみましょう。
ルールを守りたいけれど、納得できないことも
少しずつルールの意味を理解し始める年中さん。
でも納得できないときには、
ふざける
反発する といった反応を見せることも。
年少さんはルールそのものがまだ理解しづらかったのに対し、年中さんは「わかっているけど納得できない」場面が増えます。
声かけの例:
「○○すると、みんなが気持ちよく遊べるよ」
ルールの背景にある思いやりを伝えて、“納得”を促しましょう。
感情のコントロールはまだまだ発展途上
感情の表現が少しずつ上手になる年中さん。でも、嬉しさや悔しさが爆発して泣いたり怒ったりすることも。
我慢して我慢して、あとから感情があふれるタイプの子も出てきます。
対処のヒント:
「悔しかったんだね」「悲しかったね」
まずは気持ちを受け止めましょう。そのうえで、
「じゃあ次はどうしようか?」 と未来に目を向ける声かけをしていきます。
想像の世界が広がるとき
「きのう、宇宙に行ったんだよ!」
こんな空想の話がぐっと増えるのが年中さん。
ごっこ遊びも、一人遊びの延長だった年少さんに対し、年中さんは複数人でのストーリー性ある遊びへと発展していきます。
対処のヒント: 空想の話に「うそ」と決めつけず、
「それはすごいね!」 と受け止めることで、創造力を育てることができます。
異性への意識が芽生えはじめる
「女の子は入っちゃだめ」「男の子と遊びたくない」
こうした言葉が出てくるのも年中さん。
性別の違いを認識しはじめ、自然と距離を取る子も増えてきます。
声かけの例:
「○○ちゃんも楽しそうにしてたよ。一緒に誘ってみる?」
無理に混ぜるのではなく、自然な関わりを見守りましょう。
年中さんのトラブルは“伸びるチャンス”
一見やっかいに見えるトラブルも、実はその子の成長のサイン。
一緒に遊びたい
わかってほしい
でもうまくいかない
そんな気持ちの揺れがあるからこそ、トラブルが起きます。
大人ができることは?
気持ちを代弁してあげること
ルールの意味を一緒に考えること
少しの自立を見守ること
こうした関わりが、年長さんへの大事なステップになります。
まとめ
年中さんのトラブルには、その時期ならではの意味があります。
年少との違いを理解しながら、適切な声かけや見守りを心がけることで、子どもたちの社会性や自己理解がぐんと育ちます。
保育士さんや保護者の方が、子どもたちの「気持ちの奥」に目を向けて関わることで、毎日の関わりがもっと豊かで楽しいものになりますように。
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